野菜不足が引き起こす身体・精神への影響

私達日本人は古くから野菜や穀物などの自然から採取したものを主に食べてきました。ところが、現代では肉類や加工食品の流通が盛んになり野菜を食べる機会が減少し、野菜不足になりやすい傾向にあります。

そして野菜不足になることで健康を害する可能性があることが指摘されています。一体、野菜不足になることで私たちの身体や精神にどのような影響があるのでしょうか。

野菜不足になることで、身体に何が足りなくなるのか?

食材には、肉や魚、野菜に穀物など様々ものがありますね。
そして多くのビタミン類や栄養素は比較的まんべんなくどんな食材にも含まれていたりします。野菜が不足しても肉や魚などから補えるものがあったり、肉や魚のほうが多く含まれている栄養素も意外と多くあったりします。それなのに、野菜が不足することでどんな問題が起こるのでしょうか?

野菜不足でどんな栄養素が欠けてしまうのか

野菜が不足することで、私たちの身体に足りなくなる栄養素は、ビタミンA、カロチン(カロテン)とビタミンKです。カロチンは野菜の中でもとくに緑黄色野菜に豊富に含まれていますし、またビタミンKも野菜類にとくに多く肉類では補えないほどの量がふくまれています。

そして不溶性食物繊維や水溶性食物繊維などは栄養とはことなるものに分類されますが、野菜や穀物などで摂取できるものの、肉類などからは摂取できません。

ほかの栄養素は野菜が不足しても大丈夫なのか?

先に紹介させていただいたのが、ほぼ野菜からしか摂取できない栄養などです。ほかの栄養素はほかの食材でも補うことは可能です。ですが、それでも野菜が不足することで栄養の摂取量としては減少することになるでしょう。

ただし、野菜だけではどうしても不足するのがビタミンB12とビタミンDです。これだけはほかの食材からの摂取に頼らなければなりません

 

野菜不足が引き起こす身体への影響はどのようなものがあるのか

野菜が不足することで絶対的に不足しがちなものは不溶性食物繊維・水溶性食物繊維、ビタミンA、カロチン、ビタミンKだということが解かりました。ではこれらが不足することで身体への影響は具体的にどのようなことがあるのでしょうか。

不溶性食物繊維不足による影響。便秘。

不溶性食物繊維はほとんど消化されることなく腸まで届くのですが、食物繊維が腸を刺激して蠕動運動を促進して便秘を予防します。しかし野菜が不足することで不溶性食物繊維の摂取量が必然的に減少することになり、ひどい便秘になると腸閉塞やねじれ腸の原因になってしまいます。

また腸内の便から出される毒素が血液中に入り込んで高アンモニア血症などの原因の一つとなり健康を害することもわかっています。

水溶性食物繊維不足による影響。高血糖。

水溶性食物繊維は水に溶けやすく胃での消化もされやすい食物繊維のことをいいます。消化されてゲル様状になった水溶性食物繊維は胃で消化された他の食塊にまとわりついて腸が栄養を吸収する速度をゆっくりにしてくれるのですが、そのことで急激な血糖値の上昇を抑制することができます。

しかし水溶性食物繊維が不足することで血糖値が急激に上昇してとくに糖尿病を持つ人の糖尿病合併症の発症を高めてしまいます。

ビタミンA、カロチン不足による影響は

カロチンは小腸のなかでビタミンAに代わるものです。つまりビタミンAが不足することになるのですが、ビタミンAが不足すると暗い所ではものが見えにくくなるという夜盲症を引き起こしてしまいます。また男性では精子異常の原因となり、女性であれば卵巣・卵子の異常・障害を引き起こす原因となることが解かっています。

さらに肌荒れの原因となり、肌が荒れることでウイルスや細菌などが侵入しやすくなります。その結果、炎症を起こしやすくなったり感染症にかかりやすくなったりとボロボロに。

ビタミンKの不足による影響は

ビタミンKはカルシウムの代謝などに大きく関与しています。骨を強くしたり成長させるにはカルシウムが必要だということはよく知られていますが、ビタミンKはカルシウムを骨に吸収させるのを助ける働きがあります。

骨粗しょう症の薬にもビタミンKが使用されています。ビタミンKが不足することで骨にカルシウムが十分に吸収されずに骨がもろくなってしまいます。また、鼻出血や大腸炎などの原因ともなります。

野菜不足は健康に悪い影響を及ぼすことはよく聞いていましたが、このような身体の色々な不調が野菜不足で引き起こされるわけです。

 

野菜不足が引き起こす精神への影響はある!?

野菜不足で引き起こされるのは身体的な症状ばかりとは限りません。またほかの食材で野菜の栄養を補えるとしても野菜が不足することでどうしても栄養の摂取量が少なくなることは否めません。では野菜不足が原因で精神にどのような影響があるのでしょうか。

カルシウム・ビタミンB6不足によるイライラ感

カルシウムには脳神経の興奮を抑える効果があるといわれています。慢性的なカルシウム不足になるとこのようにイライラ感が出やすくなるといわれています。またビタミンB6は神経伝達物質の産生に必要な栄養です。不足することで月経前症候群などのイライラ感や一部のうつ病の症状を呈することが指摘されています。

葉酸不足はうつ病の原因になる

現代はストレス社会といわれており、仕事でもプライベートでも精神的なストレスが多くあるためにうつ病などの診断を受ける人が急増してきています。しかしうつ病は精神的なストレスだけではなく葉酸不足も原因の一つとなっているのです。

葉酸には精神を安定させる・落ち着かせる作用があるといわれています。これは医学的・栄養学的に調査もされていて、その結果、葉酸が不足しているとうつ病になりやすいということが報告されているのです。

 

野菜不足のせいで精神的にも影響があるというのは驚きでした。きちんとこの分野での研究もおこなわれているようで、信憑性も高そうですね。

 

まとめ

心身ともに健康な生活を送るためには野菜を摂取することが重要であることはわかっていましたが、今回のような理由にしっかり裏付けされてのことだったのですね!

とくに野菜からしか摂取することができない栄養素があることも解かり、あらためて野菜の重要さを感じました。

しかし、今回野菜に限らず食材に含まれるビタミンなどの含有量を調べてみて、ビタミンB群は魚介類、レバーや肉にも含まれていることなどがわかったのです。これは野菜はもちろんのことですが、野菜だけにこだわらずに食材・栄養のバランスも意識した食生活が大切なのだと気づかされました。