お通じ問題に市販の野菜ジュースは効果があるのか

手軽に栄養補給できる市販の野菜ジュース。
特に1人暮らしの人はお世話になる人も少なくないかと思います。とても便利なものですが、野菜不足の際の強い味方になってくれるのでしょうか。

例えば、最近は便秘や下痢などでお通じに悩まされている人が多くいますが、市販の野菜ジュースはお通じの改善に効果があるのでしょうか?そんな疑問から、市販の野菜ジュースの栄養分や効果をまとめてみました。

いったい何が問題なの?お通じが悪くなる原因とは?

便秘や下痢といったお通じが悪くなる状態は、肌荒れやニキビなど美容に悪いだけではありません。症状が悪化すると大腸がんなどの深刻な病気に発展することもあります。何が原因でお通じは悪くなるのでしょうか?お通じが悪くなる代表的な原因を2つご紹介します。

偏りのある食生活

栄養バランスに偏りのある食生活は、お通じが悪くなる原因の1つ。特に1人暮らしだとコンビニや外食で簡単に食事をすませがちです。こういった食生活では、炭水化物やタンパク質が多く野菜がかなり不足します。そのため、お通じを整える食物繊維を摂ることができません。現に便秘や下痢ぎみの人は毎日の食事に野菜が不足しているケースが多いそうです。

不規則な生活習慣

多忙な現代人は生活リズムが乱れがち。朝食を抜いたり、残業で夜遅い時間に夕食を摂る人も少なくありません。このように不規則な時間の食事は、腸にとって大きな負担を与えることになります。食事の時間だけでなく、不規則な起床・就寝時間は自律神経を乱すもと。自律神経は腸の働きと密接に関係しているので、自律神経が乱れると腸内運動が低下してしまい、お通じが悪くなってしまうのです。

 

食物繊維たっぷりの野菜でお通じの問題を解決

お通じが悪くなる原因からわかるように、お通じ問題を解決するには食生活の改善が1番です。お通じを整える代表的な栄養素は食物繊維。食物繊維には腸内環境を整え排便を促す効果があります。「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」と2種類の食物繊維があり、これらは野菜に多く含まれています。

下痢に効く水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、水分を吸収するぬるぬるしたゼリー状の物質。そのせいか水溶性食物繊維を含む食品は、ヌルヌル・ネバネバしているといった特徴があります。

水溶性食物繊維が含まれる代表的な野菜は、納豆、春菊、やまいも、海藻類、アボガド、おくら、きのこ類、リンゴなどが該当します。これらの食品は腸内の余分な水分を吸収して、便を適度な硬さに調整してくれるため、下痢に効果的だといわれています。

便秘に効く「不溶性食物繊維」

不溶性食物繊維は、その名の通り水に溶けにくい食物繊維。

これらを含む代表的な野菜は、大豆、いんげん豆、ブロッコリー、ごぼう、さつまいもなどが該当します。水に溶けにくいため、これらの食品を摂取すると腸内で水分を吸収して大きく膨らみます。便がかさを増し、腸内を刺激して便意を促す蠕動(ぜんどう)運動が活発になるため、便秘に効果があるといわれています。

 

市販の野菜ジュースでお通じの改善はできるのか?

野菜にはお通じに効く食物繊維がたっぷり含まれていることは分かりました。しかし、「毎日自炊して生の野菜を食べることがむずかしい…」という声も少なくありません。そんな人のために市販の野菜ジュースをおすすめしたいところですが、実際のところ市販の野菜ジュースはお通じに効果があるのでしょうか?

次の3つのポイントに分けてご説明しましょう。

ポイント1:市販の野菜ジュースだと減ってしまう栄養素

生の野菜には食物繊維だけでなく、ビタミンや酵素などの栄養素が多く含まれています。市販の野菜ジュースは製造工程で濃縮還元、加熱処理を行っているものがほとんどです。これらの処理を行うことで減ってしまう栄養素は次の3つ。

:抗酸化作用のあるビタミンC

熱に弱いビタミンCは加熱処理を行うことで、その多くが破壊されてしまいます。しかし、市販の野菜ジュースの中には、加熱で失われた成分を補うため、ビタミンCを添加されているものもあります。

:代謝と消化に欠かせない酵素

酵素も加熱することで、その機能が破壊されてしまいます。酵素は糖の分解を抑制する機能を持ちますが、加熱処理された市販の野菜ジュースではその働きは期待できません。糖分を多く含む果物が入ったものを飲みすぎると、急激な血糖値の上昇を招く恐れがあるため、注意が必要です。

:お通じに効く食物繊維

さらっとして飲みやすいジュースにするため、不溶性食物繊維は取り除かれます。一方、水溶性食物繊維は残るものの、野菜を食べたときと同じように摂取はできません。

市販の野菜ジュースに含まれる食物繊維の量は、5g以下のものがほとんど。厚生労働省策定した1日の成人の食物繊維摂取量の目安は男性が20gで、女性は18gとなっているため、市販の野菜ジュースでは十分な食物繊維が摂取できるとはいえません。

ポイント2:市販の野菜ジュースにも残っている栄養素

濃色還元や加熱処理などの製造処理を行っても野菜ジュースには次の栄養素が残ります。

:目の健康や抗酸化作用に役立つビタミンA、βカロチン

目の健康、感染症の予防、免疫力を高める効果があります。さらに老化や発がん性を抑止する効果も期待できます。

:エネルギーづくりに欠かせないビタミンB群

タンパク質や糖質などをエネルギーに変換する栄養素。疲労回復にも効果があります。

:高血圧に効くカリウム

食塩を多く含むナトリウムの過剰摂取は高血圧のもと。ナトリウムを排出するカリウムは高血圧予防に役立ちます。

:動脈硬化や生活習慣病を防ぐビタミンE

抗酸化作用があるため、体内の脂質の酸化を防ぐ効果が期待できます。そのため、動脈硬化や生活習慣病の予防に欠かせません。

ポイント3:市販の野菜ジュースだけではお通じに効果はない

市販の野菜ジュースでも一部のビタミンやカリウムが残るため、これらの栄養素を補うには効果的です。しかし、消化を促す食物繊維や酵素が製造工程で損なわれるため、市販の野菜ジュースだけでは便秘や下痢などの解消にはあまり期待できません。

 

効果的な野菜ジュースの選び方と飲み方

お通じをよくするには野菜を調理して食べることが必要です。しかし、仕事をしていると3食バランスよく野菜を取り入れて食べることはむずかしいという人も少なくありません。野菜ジュースの効果的な飲み方や選び方をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

食物繊維が多く含まれているもの

野菜ジュースの製造工程により食物繊維は取り除かれることがほとんど。しかし、なかには10g近く食物繊維が含まれているものもあります。成分表示をみて、食物繊維の含有量が多いものを選びましょう。

砂糖・食塩が無添加なもの

市販の野菜ジュースの中には砂糖や食塩が多く含まれているものもあり、これらはカロリーが高い傾向にあります。過剰摂取すると肥満や高血圧に陥ることも。健康のためにも砂糖・食塩が無添加なものがおすすめです。

ソフトドリンクの代わり

ランチのお弁当と一緒に水やお茶を買う人がほとんどだと思います。しかし、市販のお弁当は野菜などの栄養分が不足しがち。不足した栄養分を補うのに効果的なのが野菜ジュース。一般的に野菜ジュースはカロリーが高いため、食事のたびに飲むのはおすすめできません。数回に一度の割合で食事のお供に野菜ジュースを取り入れましょう。

食前に飲みましょう

食事のときにごはんなどの炭水化物を先に食べると血糖値は上昇します。食事の前に野菜ジュースを飲めば、食物繊維を先に摂取できるため、血糖値の上昇を抑制する効果が期待できます。

 

まとめ

市販の野菜ジュース単体ではお通じの改善は望めないようですね。お通じ問題を解決するには、やはり食物繊維がたっぷり含まれた野菜を食べることが一番だと思います。市販の野菜ジュースはあくまでも不足した栄養分を補うためのもの、そう考えて上手に活用して健康な身体を作っていきましょう。