野菜不足と糖尿病の可能性について考える

糖尿病といえば、近年では罹患率や糖尿病予備群とされる人たちが急激に増加している生活習慣病のひとつです。

糖尿病は「生活習慣病」といわれているように、日常の運動や食事などの日頃の生活習慣の悪化によって引き起こされますが、じつは野菜不足でも糖尿病になってしまう可能性が高くなることが分かっています。今回は野菜が不足することで、なぜ糖尿病になってしまうのかをご紹介します。

糖尿病とはどういうものか

糖尿病がどんなものかを分かっていなければ野菜不足と糖尿病の関係性も見えにくくなってしまいます。まずは糖尿病とはどんなものなのかを簡単に説明します。

インスリンの分泌異常が起こる病気

インスリンとは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値の上昇を抑える働きを持っています。このインスリンが≪全く分泌されなくなるor不足する病気≫が糖尿病です。インスリンの分泌が少なくなると血糖値を下げることができなくなります。これは糖尿病と診断された人だけではなく、【糖尿病予備群】という人でも血糖値を下げにくい、ことがあることも解かっています。

急激な血糖値の上昇は糖尿病のリスクを高める

インスリンの分泌がまったく正常な人であれば、インスリンも充分に分泌されるので、急激に血液内に糖質が吸収されてきても、インスリンによって血糖値は正常値を保ちます。しかし急激に血糖値が上がるような食習慣を続けていると、インスリンの分泌・コントロールがうまく機能しなくなって、糖尿病・糖尿病予備群となるリスクが高くなります。

 

以上が糖尿病の簡単な説明です。

血糖値の上昇は動脈硬化の原因となり、重症化すれば眼や足先の毛細血管がボロボロになり、壊死してしまう恐ろしい病気です。糖尿病になるポイントの一つは、急激に血糖値が上がることでインスリン分泌の異常が引き起こされやすくなる、というものがあります。この糖尿病、いくつか種類があるので、掘り下げてみていきましょう。

 

糖尿病にも種類がある

糖尿病にも種類があるのをご存知でしょうか。それはⅠ型糖尿病とⅡ型糖尿病という二種類あります。

Ⅰ型糖尿病

Ⅰ型糖尿病は自己免疫疾患などでインスリンを分泌する細胞が破壊されておこるもので生活習慣とは関係が一切ありません。

Ⅱ型糖尿病

Ⅱ型糖尿病は遺伝的な要素もありますが生活習慣の不摂生などで起こることが多い糖尿病です。

 

野菜不足で起こるのは生活習慣が関わってくるⅡ型糖尿病というものでした。糖尿病はインスリンが不足することで血糖値を下げることができなくなる病気です。しかし野菜が不足することと、どう関係してくるのでしょうか。

 

野菜不足と糖尿病の関係は

「食べ過ぎなどで糖尿病になる」ということはよく耳にしますが、「野菜が不足すると糖尿病になりやすい」ということは普段耳にしませんね。それでは、いったい野菜が不足するとなぜ糖尿病になるリスクが高くなるのでしょうか。野菜が不足することで体の中に何が不足するのでしょうか。

野菜が不足するとなにが足りなくなるのか

野菜が不足するとなにが身体にとって足りなくなるのでしょうか。それは野菜に含まれるものを見直すことでわかりそうですね。

野菜にはビタミン類が豊富に含まれていることは言うまでもありませんね。ビタミンが不足して体調を崩すことはあります。ですが、これが糖尿病に結びつくわけではありません。ほかにはカルシウム・カリウム・鉄などのミネラル成分などありますが、これも違います。これらの他に、野菜に豊富に含まれるものといえば……【食物繊維】です。じつはこの食物繊維が不足することで、糖尿病に罹る可能性を高くしてしまうのです。

食物繊維といえば腸内環境を整えて便秘の解消にいいということはよく知られていますが、糖尿病の予防にも効果的な成分だったのです。しかし食物繊維がどのように関係しているのでしょうか。

 

糖尿病のリスクを下げるのは水溶性食物繊維

野菜が不足することで糖尿病のリスクが高くなるのは食物繊維が関係しているのですが、食物繊維にはふたつの種類があって、それぞれ働きが違うのです。

食物繊維の種類① 不溶性食物繊維

不溶性食物繊維とは胃や腸の消化液でも比較的消化されにくく、また水や脂などにも溶けにくいという特徴があります。不溶性食物繊維はほとんど消化されないまま大腸に届けられてビフィズス菌を増やして腸内環境を整えます。また不溶性食物繊維は腸を刺激して蠕動運動を促すことで便秘の解消に効果を発揮します。

食物繊維の種類② 水溶性食物繊維

水溶性食物繊維とは「水溶性」と呼ばれているように、とても溶けやすく消化されやすい食物繊維です。水溶性食物繊維が溶かされるとドロドロの状態に変化します。このようにゲル状化した不溶性食物繊維が食塊(食べたものの塊)にまとわりつくことで、食塊が胃から腸へ移動するのに時間をより長くかける働きがあります。

なぜ水溶性食物繊維が糖尿病のリスクを下げるのか

食塊が胃から腸までに運ばれる、これは腸を通過する時間がゆっくりとなることで、食塊から栄養を吸収するのがゆっくりとなることが解かっています。栄養・糖質の吸収がゆっくりとなるということは、つまり、【急激な血糖値の上昇を抑える】ということになるのです。

 

水溶性食物繊維が糖尿病のリスクを下げることが解かりましたが、その効果をより発揮することが大切です。水溶性食物繊維の効果を最大限に活かすためのポイントがあるのです。

 

水溶性食物繊維が食塊に絡むことが重要

【食塊に水溶性食物繊維がまとわりつく】ことではじめて血糖値の上昇を緩やかにすることができるとお話ししました。つまり、水溶性食物繊維が食塊にまとわりつかなければ効果が薄くなってしまうのです。

それでは、まとわりつかせるにはどうしたらよいでしょう……

食べる食材の順番がポンイト

大切なポイントは【食べる順番】です。はじめにお肉などを摂取して、後から野菜を摂取など、所説あるようです。しかしながら、お肉のあとから、野菜を摂取した場合、水溶性食物繊維が胃で消化し始めた頃には、さきに食べたものはすでに胃を通過していることでしょう。

野菜を最後に食べていては食塊が水溶性食物繊維と混ざらずに腸を通過するので血糖値が上昇しやすくなってしまいます。そこで、まずは水溶性食物繊維をしっかり摂取した後に、お肉やほかの食品をたべることで水溶性食物繊維がまとわりつき、より効果的に血糖値の上昇を抑えることができるわけです。このポイントをしっかり生かすために、『まずは野菜から食べ始める』ことを心がけてみてください。

 

まとめ

野菜不足と糖尿病の可能性は【水溶性食物繊維の不足による血糖値の上昇】にありました。

今は正常にインスリンが分泌されている人であっても不摂生な食事が続いていると、いつインスリンの分泌異常が起こるかわかりません。いつの間にか糖尿病予備群となってしまっているかもしれないのです。そうならないためにも、普段から睡眠や運動、規則正しい生活習慣をできるだけ心がけ、食事では野菜、特に水溶性食物繊維の摂取を意識してみましょう。