野菜不足の解消で高血圧の正常値化は可能か

高血圧は、脳卒中や心疾患、腎臓疾患など、体に様々な悪影響を及ぼす危険因子です。

実は、野菜不足が高血圧の正常値化に深く関係しているのはご存知でしょうか?ここでは、そんな野菜不足と高血圧の関係について詳しくご紹介します。

高血圧の原因

実は、高血圧のほとんどは明確な原因がわかりません。身体に明らかな異常がなくても、高血圧になることがとても多いのです。では、なぜ野菜不足が高血圧と関係があると言えるのでしょうか?まずは、血圧を上げる要因からみていきましょう。

老化

体が老化すると、血管も劣化して硬く、細くなってしまいます。硬く細くなってしまった血管にスムーズに血液を流すためには、心臓はより勢いよく血液を送り出さなければならないので血圧が上がります。

塩分過多

塩分を過剰摂取すると血液の濃度を保つために血液中の水分が増えるため、体内の血液量が増えます。このため、細い血管の壁にかかる抵抗が高くなり、血圧が上がります。

動脈硬化

動脈が年齢とともに老化して硬くなったり、動脈内にさまざまな物質がくっついて血管が狭くなり、血流が悪くなった状態です。血液を流すために心臓が強い力で押し出す必要があるため血圧が上がります。

ストレス

ストレスを感じるとアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。すると、心拍数や心臓から送り出される血液の量が増え、さらに血管が収縮し、血圧が上がります。
ストレスは心理的や精神的なものだけでなく、寒さや暑さ、運動、便秘なども含みます。

 

野菜不足と高血圧の関係

野菜には体に必要なビタミンやミネラルといった栄養素が多く含まれているため、上記のような高血圧の要因には、野菜不足が関係しているものがとても多いのです。では、野菜に含まれるどのような栄養素が高血圧に効果を発揮するのでしょうか?

《カリウム》塩分排泄

カリウムはナトリウムとともに血液などの体液の濃度を一定に保つ働きをしています。腎臓でナトリウムの吸収を抑制し、体外に排出する働きがあるため、高血圧に深く関係する栄養素です。
里芋、ヤマトイモ、サツマイモなどのイモ類にはカリウムが豊富に含まれています。また、カボチャ、アスパラ、なす、キャベツ、ニラ、切干大根、カブ、ごぼうなど、多くの野菜に含まれています。

意外にも、カリウムが豊富な野菜にはイモ類が多いのですね。炭水化物ダイエットでイモを避けている方は要注意かもしれませんよ。

《カルシウム》動脈硬化予防

カルシウムは、ほとんどが骨に蓄えられていますが、カルシウム摂取量が不足すると、体が危機を感じて、骨からカルシウムを取り出し、逆に血液中のカルシウム濃度が高くなります。すると、血管を収縮させて血流が悪くなり、血圧が上昇します。モロヘイヤや大根葉、カブ葉といった葉物野菜に多く含まれています。

普段捨ててしまいがちな大根葉やカブ葉には高血圧に効果のある栄養素がたくさん含まれています。捨てるなんてもったいないことはせず、積極的に献立に取り入れましょう。

《食物繊維》悪玉コレステロールを減らす

食物繊維は水溶性と不溶性に分けられますが、水溶性の食物繊維はナトリウムを包み込み、排出する作用があり、血圧を下げます。不溶性食物繊維は、高血圧の要因の一つである便秘を予防します。
水溶性食物繊維は、アボカド、オクラ、山芋、あしたば、ごぼうなどに含まれます。不溶性食物繊維は、いんげん豆、おから、切干大根などに含まれます。

食物繊維と高血圧が関係しているとは驚きです。季節を問わずスーパーで手に入りやすい食品が多いので助かりますね。

《ビタミンC》抗酸化作用

ビタミンCが不足するとストレスに弱くなります。また、ビタミンCは善玉コレステロールをつくって悪玉コレステロールを減らす働きや、酸化による老化を防ぐ抗酸化作用があり、動脈硬化を予防します。パプリカ、ブロッコリー、ケール、ゴーヤなどに多く含まれています。

ビタミンCは果物だけでなく野菜にも多く含まれるのですね。野菜からも一度に多くのビタミンCを摂取できるのでたくさん食べるようにしましょう。

《ビタミンE》抗酸化作用

ビタミンCと同様、抗酸化作用があり、血管の老化を防いで高血圧の予防に効果があります。ニラやモロヘイヤ、大根葉、カブ葉といった葉物野菜のほか、カボチャやパプリカにも多く含まれています。

あまり馴染みのないビタミンEですが、意外にも多くの野菜から摂取することができるようです。

《ポリフェノール》抗酸化作用

ポリフェノールには、ビタミンCやビタミンEよりも高い効果の抗酸化作用があり、血管の老化を防いで高血圧を予防します。紫イモやブロッコリー、なす、紫玉ねぎ、ほうれん草、ごぼう、大豆などに多く含まれています。

ワインでお馴染みのポリフェノールですが、やはり紫色の野菜に多いようです。色の薄い大豆にも含まれているとは意外ですね。

《βカロテン》抗酸化作用

βカロテンにも強い抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を抑制して動脈硬化を予防するといわれています。モロヘイヤや大根葉、カブ葉といった葉物野菜のほか、カボチャ、にんじん、シソなどにも豊富に含まれています。

栄養がたくさん摂れそうな緑黄色野菜には、やはりβカロテンを始めとする多くの栄養素が含まれているのですね。

 

高血圧の正常値化に効果的な野菜の摂り方

栄養素には、調理法で溶けたり変性してしまう可能性があるものが多くあります。高血圧に効果的に働いてもらうには、どのように摂取するのがよいのでしょうか?

生のまま食べる

熱や水に弱い栄養素が多いので、生のまま食べられる野菜はそのままサラダで食べるのが一番です。ただし、生のままではかさばるので、あまり多くは食べられないのが残念です。

煮込む

カリウムやビタミンC、ポリフェノールは水に溶けやすい性質があります。野菜は茹でる機会が多いですが、茹で汁に栄養素が溶け出してしまうので、汁ごといただけるようにスープにしたり煮込み料理などにするほうが良いでしょう。また、蒸したり炒めたりしても茹でるよりは栄養素が残りやすいです。

ちなみに、水溶性の食物繊維は水に溶けやすいですが、不溶性の食物繊維は溶けにくいため、食品に合わせた調理を意識しましょう。

電子レンジで加熱

水に溶け出してしまう栄養素は多いですが、水を使わず電子レンジで加熱すると茹でるよりも栄養素が保たれることが分かっています。温野菜にするときは、電子レンジを使うのがよさそうです。

油で調理する

ビタミンEやβカロテンは油と一緒に摂取することで吸収効率が上がります。油で炒めたり、油揚げなどと一緒に調理をすると効果的です。また、熱に強いためどんな調理法でもしっかり栄養素を摂取できるのも嬉しいですね。

手早く調理する

ビタミンCやポリフェノールは空気中にさらされると酸化してしまうため、野菜の切り口からどんどん栄養素が変性してしまいます。調理は手早く、作ったら置いておかずになるべく早く食べるようにしましょう。

吸収率を上げるために一緒に摂取

カルシウムはビタミンDやクエン酸と一緒に摂取することで吸収効率が良くなるのでお勧めです。しいたけやレバー、ちりめんじゃこなどのビタミンDを含む食品と一緒に調理したり、お酢やレモン汁を調味料に使うとよいでしょう。

野菜ジュースや青汁

なかなか野菜が摂れない方には野菜ジュースや青汁もお勧めですが、飲んだだけで野菜を摂取した気分になってしまいがちです。上記でお話ししたような、高血圧に効果のある栄養成分が含まれているかをしっかり確認することが大切です。

 

まとめ

野菜不足と高血圧の関係についてご紹介しました。実際に、野菜不足を解消したことで、血圧が正常値まで下がったという例もあるそうです。しかし、野菜が体に良いと分かっていても、どの野菜を、どう調理して食べるかを理解しておかないと、高血圧の正常値化は望めません。是非、正しい知識を身に付けて野菜を摂取してほしいと思います。